中学受験終了組ののびこ母です。お立ち寄りいただき、ありがとうございます。
今回は「らせん型学習」について思うこと。
らせん型教育とは
アメリカの心理学者ブルーナさんが提唱した「らせん型教育」は中学受験だけでなく、幼児教育から大学、英語やピアノなどでも広く取り入れられている理論(らしい)。
「まずは理解できるレベルで学習させ、理解できたら、次の発達段階において、以前学んだ知識を基に新しい理解をさせる。」
何度も学び直す機会をもたせながら、らせん階段のように学習のレベルを上げていくというのはいかにも効果がありそうです。おそらく私も知らず知らずのうちにそうやって勉強してきたのだろうと思います。
本来はとても効果的な学習方法であるはずなのに、のびこに伴走していた3年間、私はずっと形の見えない山をやみくもにがむしゃらに登っていくような思いでした。
3年間で「山頂」にたどり着かないといけないのに、そのロードマップがうまく描けない。
道がわかっているのに体力がなくて山頂にたどり着けないというよりは、道案内が不親切でウロウロ迷ってうっかり獣道に入り込んだりしている間に消耗していく感じです。
全体像が見えなくても「らせん階段」は上がれるはず
当然のことながら、カリキュラムは「全体像を見通せる人がつくるもの」です。
では与えられる側に全体像が見えている必要があるかというと必ずしもそうではないと思う。
子どもの頃は目の前の課題をやっていれば勉強もピアノも力はついていきました。「継続は力なり」精神でらせん階段をのぼっていった。別に「目指すところ」を描いていた子どもではなかったけれど。
だから、本来、学習者は目の前の課題をやっていれば、らせん階段を上がっていけるはずなのです。
けれど私にはのびこの手を引きながら、「中学受験のらせん階段」を上がっていくのがとても大変でした。
おそらく理念では「らせん型」をうたいながらも、テキストがそうなっていないのが中学受験なのです。
中学受験の「らせん型」の正体
サピックスでは「らせん状(スパイラル)カリキュラム」、四谷大塚では「らせん型カリキュラム」と呼ばれている『それ』は「難易度が高くなった形、あるいは視点を変えた形で繰り返しながら理解を深められる」らしい。
けれど、テキストは「次はこの形で出てきますから、今はこのレベルまでやってください。」というわかりやすいものにはなっていない。
その内容だけでは「物足りない子」と「ギリギリできる子」と「ムリだという子」がいたら、「物足りない子」に合わせるのが塾だから。
結果、与えられるテキストは多くの場合オーバースペックになっていて、「今、何をどこまでやるべきなのか」は親の裁量に委ねられる。中学受験が初めての親は「全体像」が見えないまま、家庭で「指導者」の役割を課せられることになる。
全体像が見えない「らせん」の苦しさ
全体像が見えない中で「らせん」に乗ろうとすると何が起こるか。
- 今、なにをどこまでやるべきなのかがわからずに焦る。
- 今、乗っておかないと、次に乗り遅れるのではないかと不安になる。
- 結果、目の前にあるものを全部やろうとして、キャパオーバーになる。
我が家は「予習シリーズ」で新出単元の嵐を乗り越えましたが、「ああなるほど。ここでこう出てくるのか。あの時、あんなに時間を割いてやることなかった」とは「次が出てきた時」にわかること。
ママノートを都度ブラッシュアップする作業を繰り返して3年間走り抜けた後に、ようやくその全体像が見えてきたように思えたものです。終わってみれば「あれもこれも別にやらなくてよかった。のびこにやらせすぎた。」という苦ささえありました。
けれど、渦中にいる時には「『どの程度のわからなさ』で許されるのか。ある程度はできていないと次にまた積み残しが増えるだけになるのではないか。」と不安で、私には取捨選択がうまくできませんでした。塾の先生の指示だけでは家庭学習がまわらない部分がどうしてもありました。
組分けテストのために、目の前にあるものを全部やろうとして毎日必死でした。「その時」しっかりやった単元は「貯金」となり、甘かった単元は「借金」として繰り越されることも多かったけれど。
中学受験親が苦しいのは
中学受験で親がキツイのはテキストの量やむずかしさの問題だけでなく、常に「選択」を迫られるからではないかと思います。
サピックスはそのテキストが到底こなしきれない量であるだけに、親に「選択」を迫られることが多く、きつかったことを思い出します。
次回、ちょっとそのお話をしようと思います。
「SAPIXで苦戦する親たち」(マネーポストWEB)を読んだのがきっかけで、サピについてつぶやいてきましたが、締めに感想を3つだけ言い逃げします。
- サピ以外の大手塾も別に面倒見よくないで。
- 4年生も楽ちゃうで。単なる比較の問題や。
- 予習シリーズなめたらあかんで。おまけに改訂版はめっちゃ難しくなったらしいで。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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